wjk press blog "無骨なブーツを、今の気分で。"
こんにちは。
wjk プレスの藤原です。
今シーズン、久しぶりに「これは履いてみたいな」と思ったブーツ。

名前の通り、ベースになっているのは「ラインマンブーツ」。
そもそもラインマンブーツって何?というところからですが、ルーツはアメリカ。
19世紀末から20世紀初頭、アメリカで電力網が急速に広がっていく中、電柱や送電線に登って作業をする「ラインマン=電線工」のために発展していったワークブーツです。高所での作業では、足元の安定感がとても重要。
そのため、足をしっかりホールドするための「レース・トゥ・トゥ」と呼ばれる、つま先近くまでシューレースが入るデザインなど、実用性を優先した特徴的なディテールが生まれました。
こういう背景を知ると、ただ「ゴツいワークブーツ」という見方とは少し変わってきます。
必要だったから生まれた形。
それが長い時間を経て、ファッションとしても格好いいものになっている。個人的には、こういう背景のあるアイテムって好きなんですよね。
無骨だけど、ゴツすぎない。
今回のwjkのラインマンブーツも、ベースにはもちろんその無骨さがあります。
ただ、昔ながらのワークブーツをそのまま再現しているわけではありません。

トゥのボリュームを少し抑えて、シルエットをシャープに。ワークブーツらしい存在感は残しながら、今のスタイリングにも合わせやすいバランスに仕上げています。
この「ゴツいけどゴツすぎない」というところがポイントです。
デニムやカーゴパンツに合わせて無骨に履くのはもちろん、細身のパンツやきれいめなスタイルの足元に持ってきても、意外と収まりがいいと思います。
ディテールにもwjkらしさ。
デザインを見ていくと、結構細かいところまで考えられています。

シューレース仕様でありながら、バックジップを付けることで着脱はかなり楽。
ジップにはYKKの高級ライン「EXCELLA®」を使用し、wjkオリジナルの引手を合わせています。

さらに、アイレットはあえて内側に配置。外側から見たときに余計なパーツを見せず、全体をミニマルに見せています。

そして個人的に好きなのが、トゥからタンにかけて一枚革で構成しているところ。ワークブーツらしいディテールを持ちながら、見た目はかなりスッキリしています。スムースレザーとスエードのコンビネーションも、シンプルだけどちゃんと存在感があります。
そして、履き心地。
製法は、ワークブーツではお馴染みのグッドイヤー・ウェルテッド製法。
堅牢性や耐久性に優れた、長く付き合える作りです。


そしてソールには、Dr.Sole社の「Cushion Wanderer」を採用。
見た目はしっかりとしたワークブーツですが、ヒール内部にクッション性のある素材を仕込むことで、歩いたときの衝撃を和らげてくれます。
個人的には、「見た目から想像するより履きやすい」というところもポイント。
ワークブーツの無骨さは欲しいけど、履き心地まで昔ながらじゃなくていい。
履き混んでからが楽しみなレザー。

アッパーには、イタリア・トスカーナの老舗タンナー、TEMPESTI社の「ELBAMATT」を採用。この革はオイルをたっぷり含んだ、しっとりとした質感が特徴。さらに、牛の背中から臀部にかけての希少部位「Bends」を使用しています。繊維密度が高く、厚みもある部位なので、ブーツの形をしっかり保ちながら、履き込むことで艶や表情が変化していく。
トゥ部分にはスムースレザーではなくスエードを使っています。これ、見た目のデザインだけではなく、ちゃんと理由があります。ブーツを履いていると、実はトゥが一番傷のつきやすい部分。スムースレザーだと、どうしても傷が目立ちやすい。そこでトゥにスエードを使うことで、傷が目立ちにくくなるようにしています。さらに、このスエードにはオイルを入れて毛羽をつぶしているので、一般的なスエードよりもマットで落ち着いた表情。
見た目のアクセントでスエードを使っているだけじゃない。実用面まで考えて、この仕様になっています。こういう「実はこういう意図がある」というディテールって、個人的には結構好きです。
履き心地は現代的に。

個人的におすすめしたい履き方は、シューレースをかなりしっかり絞って履くこと。ラインマンブーツらしい、足元をギュッとホールドした感じを出した方が、このブーツは格好いいと思います。パンツの裾をブーツに少しかぶせてもいいし、細めのパンツならブーツのシルエットをしっかり見せてもいい。個人的には、裾を少し溜めて、ブーツのボリュームを残すくらいが今っぽくて好きです。
サイズは基本的には普段履いているスニーカーのサイズ感だけで決めず、ブーツとしてのフィット感を意識して選ぶのがおすすめ。
特にラインマンブーツは、シューレースでしっかりホールドして履くのが格好いいので、足が中で遊びすぎないサイズ感がいいと思います。僕なら実際に試着して、踵がしっかり収まり、つま先には少し余裕があるくらいを選びます。
もともとはファッションのために生まれたものではないブーツ。電線工という危険な仕事をする人たちが、安全に作業するために必要だった道具。
だからこそ、そこには無駄のない機能と、それがそのままデザインになった格好良さがあります。wjkがやっているのは、その背景を残しながら、シルエットや素材、ディテールを現代の感覚に合わせていくこと。
昔の無骨さをそのまま履くのではなく、今のスタイルに合わせて履く。それが「modern lineman boots」なんじゃないかなと思います。
新品の今ももちろん格好いいけど、個人的には、これを何年か履き込んだ後の姿が一番楽しみ。
今シーズン、個人的にかなりおすすめしたい一足です。
では、また。
wjk press / 藤原