2023 SS|次世代のヴィンテージになり得る新しいミリタリー。L-2Bフライトジャケット。

2023 SS|次世代のヴィンテージになり得る新しいミリタリー。L-2Bフライトジャケット。 - wjk

ミリタリーデザインを得意とするwjkの2023 SSのラインナップでは、L-2Bジャケットを展開しています。MA-1に代表されるフライトジャケットの遍歴から、wjkのvintage L-2Bのディティールアレンジについてご紹介します。

 


 vintage L-2B

L-2Bとは、ライトゾーン(10〜30℃程度の気温)で使用される、中綿のないフライトジャケットのことです。これに対し、ミリタリージャケットの傑作として有名なMA-1はインターミディエイトゾーン(-10〜10℃程度の気温)で使用される中綿入りのフライトジャケットです。

L-2BはMA-1の前身としてつくられたモデルで、ディティールにはフラップやエポレットなどの要素が残り、まだデザインが洗練されきっていない印象があります。

L-2Bの原型であるL-2は第二次世界大戦中の1945年に製造されていたモデルであり、当時のフライトジャケットには本革やウールなどの天然素材が使用されていましたが、物資が枯渇したことと技術の進歩から以降はナイロン製の生地が使用されるようになりました。

また、1952年にはL-2のスペックはそのままに「エアフォースブルー」と呼ばれるネイビーカラーのL-2Aが展開されましたが、太陽に近い上空を飛行すると日光を吸収して暑くなるなどの理由からすぐにカラーリングを変更。グレーがかったセージグリーンのL-2Bが展開され、1978年まで正式採用されました。

フライトジャケットをリソースとした服の中には総じて「MA-1」と表現したものも多いですが、その種類は多岐に渡り、ミリタリーの歴史の中でその形や素材は様々な変化を遂げています。

 

 

デザインディティール

オリジナルのL-2Bはナイロン製ですが、春夏に着用しやすいようにvintage L-2Bは布帛を加工した生地を使用。また本来ミリタリーのフライトジャケットは、遭難時に発見されやすいよう裏地に派手なオレンジ色の生地が使用されていますが、今回はタウンユースしやすい錆グリーンに洗いをかけて古着のような質感を出しています。

 

シルエットはタイトに仕上げつつ、袖のポケットや両サイドのポケットフラップ、エポレットなどのディティールはオリジナルを踏襲。胸元のオキシジェンタブ(飛行中に酸素マスクのホースをクリップで留めるためのパーツ)はデフォルメして4方向とも縫い付けるブランドも多いですが、wjkのフライトジャケットはすべてオリジナルと同じように縫製しています。

 

縫製はパッカリングという縫い縮みがあえて出るようにし、ヴィンテージ加工を施しています。ジッパーは、デザイン性が高く人気のあるスイスのriri社製のものを使用。リブはあえて古着のように褪色した印象の色合いのものを選定しています。


 

色褪せ、着古された古着の佇まいには魅力があるものの、ウールなどの天然素材を使用したミリタリーの古着は虫に喰われてボロボロな状態のことも多く、今後さらに数が減り、高値で取引される古着は今以上にマニアの中で取り合いになるでしょうし、一般的には手の届かない存在になっていくと思われます。


年代物の古着にこだわったり、「新品を1から自分で着古してなんぼ」という考え方もひとつですが、wjkは、ステッチひとつで新しい服の雰囲気も一気に変わるところが服づくりの面白さだと思っています。

 

ステッチ1本でその仕上がりも、数年後の佇まいさえも変わることを知っているからこそ、説明されなければわからないようなディティールにも妥協せずにこだわる。古いものだけが本当に魅力的なものではないと信じるからこそ、名品の魅力を読み取り、丁寧に焼き直すように服作りを続けてきました。

wjkはこれからも服づくりを通して、そんな古き良き魅力を受け継いだ、次世代のヴィンテージになり得る服をつくっていきたいと考えています。

 

 

vintage L-2B

¥77,000 TAX IN

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